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手打ち包丁

手打ち包丁はどこが良いか


一般の家庭で包丁といえば、ほとんどがステンレス製でしょう。何時の頃からかステンレスに樹脂の柄をつけたり、柄の部分までステンレスの包丁が使われるようになってきました。見た目にはピカピカでいかにも切れそうですが、使っているうちに切れなくなり、研いでも最初の切れ味を出すことは出来ません。切れない包丁ほど危ないものはありません。切れないので無理に力を入れて滑ったりして手を切ったりします。その点手打ちの包丁は手入れさえしっかりしておくと、一生使えるような品物なのです。手打ちの包丁は昔は鍛冶屋が炭素の多い鋼鉄を高熱で真っ赤になるほど焼き、ハンマーで叩き平たく伸ばして水に漬けて急激に冷まし、また高熱で焼き叩き伸ばして水に漬けて急激に冷ます、この工程を何回も繰り返し形を作って、最後に刃の部分を削り研いで木製の柄をつけて仕上げたのです。今でも工程や製法は同じですが、部分部分で機械化されている場合もあります。炭素鋼は刃金とも呼ばれ、炭素鋼が多いと固くて切れ味が良くなりますが、固すぎて刃こぼれを起したり折れやすくなります。これを防ぐ為に何度も焼いて叩く事を繰り返すことにより、炭素鋼の粒子が細かくなり、粒子同士の結びつきがしっかりとなされ強度が増してくるのです。この様に手打ちの包丁は材料や手間や熟練の技が必要な為に価格も高くなるのです。昔の刀鍛冶からの技術が引き継がれ、全国各地に切れ味の良い製品を作るところがあり、銘をつけて売り出している製品もあります。熟練の技で作られている包丁は強度や厚み、刃の角度が均一で使いやすく切れ味が良いのです。また用途によって片刃とか両刃などがあり、その名の通り刃の部分の削り込みが片方からと両方からになり、研ぎ方も片方だけで良いのと両方から研がなければならないものに分かれます。長い間使用していると切れ味が悪くなるのはステンレス製と同じですが、砥石で研ぐことで切れ味が元に戻るのです。料理人は気に入った物は何十年も研いで使っているうちに、研いで研いで幅が狭くなってきます。しかし炭素鋼をしっかりと鍛えているので切れ味は少しも変わりません。ただこの炭素鋼は錆び易いので、使わないときは水分をふき取り油引き等して保管しておかなくてはなりません。しかし錆が出ても砥石で研げば錆落しになり元の状態にできるので管理はし易いです。切れ味の良い刃物は、切り口が潰れないので料理の素材も美味しい状態に出来るのです。これも腕の良い料理人が手打ちの包丁にこだわる理由の一つです